五官調気保健法

本法は、中医心理専門家王米渠先生の『現代中医心理学』より中医学蔵象学説、心肝腎肺脾の理論に基づき編成されたものです。
自分でも怒が制御できる有効、実用的な保健法で、健康心理を保健することが出来ます。中医心理調整術ともいいます。

精神心理、身体の健康維持、病気予防に役立つものです。日本中医薬研究会会誌『天空』(2011年Vol.25No.12)松永樹浩の文より紹介されたものです。
訳編:松永樹浩 絵編:内田千惠

 

1  攪転舌体 緩和心気

五官調気保健法

1.
暴言を吐いてしまいそうな時

 

 

 

 

五官調気保健法
2.
舌の先端を口腔内壁に沿わせ回転させます。

数回続けます。

怒気は緩和され、暴言を吐く事もなくなるでしょう。

 

 

【中医学の理論】
漢方では「心は舌に開竅し、舌は心の宮」と言う言葉があります。怒りによる心気急に対しては、舌を回転攪動することで、心気を緩和する作用があります。

 

2  両按眼角 疏導肝気

五官調気保健法
1.
怒りそうな時は、

2.
親指と人差し指で目の端を軽く押し、左手は右目を、右手は左目を押します。

(赤:左の手   青:右の手   ○:人差し指   △:親指)

連続して5~10回押します。

また、細長く息を吐くと、より怒気を払うことが出来て、体を守ることができます。

 

【中医学の理論】
怒ると、まず目は大きく開き、頭部の青筋は怒張し、正常な考え、判断ができず、目の症状が出やすくなります。時には突然の失明、飛蚊症になることもあります。

これは目が肝の竅であり、肝の気血は目に通じ、怒で肝を傷めたからです。そのため連続して上の動作を行うと、肝気が疏通緩和され、怒気は徐々に消えていきます。

 

 

3  拉按揉耳 平和腎気

五官調気保健法

1.
怒ると気血はたたきのめし、血は熱くなり、上へ湧きあがり、顔や耳の色は赤くなります。

 

 

 

 

 

五官調気保健法2.
この時、両手もしくは片手の親指と人差し指で、耳介を上・中・下の3方向に数回引っ張ります。

続けて耳介の上・中・下(耳垂)の3部分を耳道口に押し戻したり、外へ引っ張ったりします。

これを数回続けます。

 

【中医学の理論】

これは、平和腎気の効果があります。
腎は耳に開竅し、耳は五官の中で面積が一番大きなもので、血管の面積も大きいので、耳介を引っ張り揉むことで、怒気を消す作用が一番強いのです。

 

 

4  順理鼻梁 開宣肺気

五官調気保健法
1.
怒った時は

2.
人差し指と親指を使って、鼻梁(外鼻)両側に沿って上から下へゆっくり滑らせながら、体内の怒気をできるだけ吐き出します。

目安は2~3回ですが、何回行っても大丈夫です。

 

【中医学の理論】
怒ると気は上へ昇ります
肺は鼻に開竅し、肺気を外に開宣することで、怒気を支える気をなくすことで、怒気も自然に消えていきます。

 

 

5  撫摩口唇 益脾生智消気

五官調気保健法

1.
怒ったときや不快感がある時

2.
手の平(左右どちらでも)で口唇部を左右に撫摩します。

これを十数回繰り返します。

すると冷静になれます。

 

【中医学の理論】
脾は口唇に開竅し、撫摩口唇することから益脾作用を発揮し、理知的な思考が出来るようになるからです。
そのため、この動作により冷静に物事を処理できるようになります。

 

【王米渠先生『現代中医心理学』より  翻訳:松永樹浩  絵:内田千恵】

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